建物が古くなると家賃は下がるのか?

建物が古くなると家賃は下がるのか?

建物が古くなると家賃は下がるのか?

東京の場合、駅まで徒歩10分以内といった立地条件に恵まれたマン
ションは古くなっても家賃が下がることはあまりありません。

また、ワンルームマンションの建築規制により都区部では、建築条件
が厳しくなったうえ、その他規制など、新規供給が少なくなると予想
されます。

都心部単身者向けの好立地に限っては、

新築家賃10万円の物件の近隣で、同程度の、築25年以上でも、メ
ンテナンス・管理が行き届いた、物件は、8.5万円から9万円程度で
賃貸できてる例は多く、むしろ、メンテナンスや管理の行き届いてな
い物件が、値段で客引きする為に、広告塔に使われています。

又、それらが新築だった、25年前の家賃は、とうてい8.5万円には届
かず、当時よりも家賃は高くなっています。

又、例えば、千代田区神田淡路町の築35年の5階建ての古いビル。オ
フィスとしては、一部屋10万円でも入らなかったので、単身者賃貸用
に改装工事した結果、15万円以上でも、入居希望者がいます。

このように、都心部の単身居住の需要は旺盛です。

このように、古くなっても家賃が下がらない様にする事が出来ます。

それは、立地と、メンテナンス・管理と、スタート時期です。

スタート時期とは、例えば、バブルの時に始めた方は、当時よりも下
がっております。

バブルは、異常時期だったと考えれば、それ以前の時期と比較いたし
ますと、先ほどの例にありますように、当時よりも家賃は高くなって
います。

では、今はどのような時期でしょうか?

現在、バブル時と一転し、都心部の不動産価格が安くなったおかげで
、企業も都心回帰、大学等の教育機関も都心回帰、住民も、分譲・賃
貸共に都心回帰になっています。

都心部好立地に限っては、例えば,東京駅周辺で一気に上昇との報道
にありますように、その後、都心中心地は千代田区の丸ビル付近でア
ップをはじめ、大手町・八重洲まで上昇地点が拡大しました。

逆に、同じ東京でも、市部の家賃は若干下がり続けており、また、同
じ首都圏でも、横浜・埼玉・千葉では中古マンション価格は、下げて
おり、都心好立地との二極化が鮮明になってきいます。

例えば、中央区は、ここ数年以上も人口が増加しております。つまり
、人口の都心回帰現象です。

今では、未婚や離婚の増加による、働き盛りのシングル(単身世帯)
の増加や、リストラに伴い増加した一人当たりの労働時間の長時間化
の為、永い通勤時間に疲れたサラリーマンが、通勤時間を減少させ、
時間の有効活用をとの趣向が強くなり、都心好立地の価格が手の届く
範囲になり、人口が戻りだしたのです。

実際、都心居住はどこに行くにも便利で、生活の為のインフラが整っ
ていることもあり、増加の一途をたどっております。

日経新聞も一面カラー写真入りで取り上げた、自転車で日本橋三越や
高島屋に買い物に行く人や、日本橋や丸の内、大手町などのオフィス
に通う自転車通勤者が発生しています。

全国的には百貨店売り上げは下降傾向ですが、都心中心地の百貨店に
限っては、人口増加の追い風を受けて、売上げを伸ばしています。

人口の動きを都道府県別に見ると(2001年3月31日時点)、地方圏、
26道府県で人口減なのとは対称的に、東京都の伸びが際立ち、人口増
加は最多で、特に、社会増加と言われる転出入差が際立ちました。


2030年の将来推計人口は、平成14年(2002年)3月26日、厚生労
働省の国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、東京都他、4
都県のみが人口増加し、他、30道府県では人口減少が見込まれます。

又、特に、今後、東京都民が全人口の1割を超えるなど、相対的に首
都圏への人口流入が一層進むことになるそうです。


そんな中、世帯構成別に見てみると、全国世帯調査データ(厚生省)
によると、標準世帯が全世帯に占める割合は、わずか33%に過ぎず
、単身世帯がその次で、25%この中で、標準世帯の33%の方々は
、賃料並みで自宅が購入できる、この時期に、ファミリーマンション
を購入するケースが多く、逆に、賃貸においては苦戦している世帯構
成に該当します。つまり、借り手が減っています。

しかし、2番目に多い世帯構成を占める、単身世帯は、自分一人の為、
身軽で、いつでも引っ越せる賃貸派がほとんどで、購入派は、非常に
少ないのが現状です。

特に、都心3区や隣接5区は、20代の単身世帯の増加が著しく、30代・
40代の定着も始まっております。

首都圏の単身世帯の特徴としては、20代から40代だけで、一般世帯の
29%もの割合を占め、大幅に増加しております。

《シングル世帯が都市部で急増している背景には、離婚と未婚率の増
加がある。2000年国勢調査によると、東京都の未婚率は、30歳代前半
の男性で54%、同世代の女性で38%に上る。コンビ二の普及など
、都心部では、生活に困らない環境が整ってきたことも要因・・・・》
とあります。

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所データによると、東京圏
の単独世帯数推移によると、2000年から2010年の10年間で、471,000
世帯の単身世帯数の増加が見込まれております。

年間平均、47,100世帯の増加見込みとなります。

一方、東京圏のワンルーム(単身者向けの賃貸用)マンション供給は
、ここ数年の人気を背景に、徐々に増加はしておりますが、

2000年4,522戸
2001年5,545戸
2002・3年6,000・7,000戸(概算)

と、年間平均47,100世帯の単身世帯増加見込み数と比較しますと、桁
違いです。
(ちなみに、バブル時(過去最高供給)1990年でも、16,656戸でした。)

今後は、都心の限られた好立地の物件が少なくなり、際限なく供給す
ることは不可能が予想されます。

又、新聞でも報じられましたように、都内、各区において、ワンルー
ムマンションの建築規制強化に動き始めております。これは、ここの
ところ、急増中の単身世帯よりも、むしろファミリー世帯を増加させ
たいとの各自治体の思惑です。

厳しい規制により、供給量が制限され、結果として、物件価格が上昇
することも予想されます。

また、供給が減りますと、上記のように、ますます需要に追いつかず
、賃料の強含みが予想されます。

都心の、好立地を、今のうちに押さえておくことが、今後のリスクヘ
ッジであり、又、楽しみにつながります。

既に、単身居住用の賃料は、都心においては上昇が始まっております。

『大学は都心を目指す』との見出しで、「かつて郊外に新天地を求め
た大学が都心回帰をうかがっている。

・・・全国から学生を集めるには東京に近い方が有利。
・・・流通経済大学は2005年、東京・秋葉原に大学院を開設する構想
      を練っている。
・・・法政大学は、すでに2000年、東京・市ヶ谷に、超高層校舎を開
      設。
その効果で、今春志願者は24年ぶりに8万人を突破。・・・」
このように、今後、学生も都心に回帰する傾向が強まります。

東京都心オフィス利用実態調査でも、オフィスの都心回帰の流れが見
えてきました。

2003年のオフィスビル供給過剰問題に関しましても、供給過剰でも空
室にする事はできないので、オフィス賃料に限っては、どんどん下が
ると思われます。

つまり、オフィスが満室になるまで下げるのです。

都心部のオフィスビルの家賃が下がれば、バブル時に、地方に一時期
逃げた企業も、都心部に戻りますし、実際に、その傾向は始まってお
ります。

結局、地方は、ますます大変ですが、都心は、オフィス賃料を下げれ
ば、みんな、集まってきますし、満室になるまでは、下げると予想さ
れます。

大学も現在、都心回帰が進み都心に戻ってきています。

そうしますと、さらに就業人口が都心に集まり、賃貸需要が高まりま
す。

現状の状況下におきましても、都心部の単身居住用賃料は上昇してお
りますので、今後需給バランスが崩れ、ますます、強含みが予想され
ます。

つまり、オフィス面積が倍増すれば、オフィス賃料が下がって、倍の
企業がそこに集まり、今までの、倍の、就業人口が集まり、都心居住
の需要も倍増し、居住用の賃料はむしろ上昇が予想されます。

なぜなら、賃貸居住用の 都心部の 物件の供給には 限界があるか
らです。

又、20年以上前の技術、基準等でできた物件とは、今の新築は、技術
的にも品質的にも、メンテナンスの長期計画にしても、大差がありま
す。

しかも、法的整備もなされて、平成11年通常国会において、『住宅の
品質確保の促進等に関する法律』が制定され、それ以前の戸建やマン
ションは、新築から2年しか保証期間を設けてないものがほぼ全てで
したが、この法律により、長期間(10年以上)の保証が義務付けられ
ましたので、平成12年の春以降に分譲された新築に関しては、適用さ
れます。

ゼネコン各社は、そのリスクヘッジにおいては、本当に品質の良いも
のを完成させないと、いずれ近い将来、それらを保証させられる事に
なり、目先の利益は吹き飛んでしまいますので、平成12年の春以前と
は違い、各社、コストアップを受け入れ、現場管理・施工管理・等々
、厳密にし、現場の職人任せではなく、本来の日本の物づくりの得意
技である、品質管理を徹底して、本当に安全な、良いものを造ること
で、長期の保証に対してリスクヘッジしております。

又、平成13年8月1日から『マンションの管理の適正化の推進に関する
法律』(マンション管理適正化法)が施行されました。

この中で、分譲段階における適正化の措置として、維持修繕に関する
計画を作成し計画的に修繕を実施することが必要としています。

その以前の物件におきましては、分譲時に、そのような計画が無いも
のや、あっても陳腐で使い物にならないようなものがほとんどでした
ので、後になってから、多額の修繕費が必要になり、困ってしまうケ
ースは多かったようです。

それらの様な事が問題となり、こんにちの法整備につながっています。